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リッこら

Re:ALL製作委員会は一枚岩ではありません。日々委員どうしが小首を傾げ合いながら 冊子を作っています。彼らは一枚岩というよりはむしろ、ガラクタの山のようです。どんなガラクタが埋まっているのか。とにかく委員それぞれが好きなものを書きたいということで始めたコラム、気が向いたら読んでやって下さい。ひょっとしたら、使えるガラクタがあるかもしれません。

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どんなことにも熱くなれよぉ!

 今回何を書こうかと考えた時、つい最近合格体験記なるものを書いたことを思い出したので、高校時代に私がやらかしたことでも記そうと思う。
 
 高3の時のことである。受験もいよいよ今冬に迫り、浮かれている余裕がなくなってきた頃、私は友人たちと盛り上がっていることがあった。
 先生でやくざパロ。
 受験期といっても、精神安定剤(笑)が必要であった私は、身近なもので代用できないかと考えていた。そこで思いついたのは、当時私たちが心の中に持っていた「推しセン」だった。私たちの授業を担当されていた先生たちは、ほぼ中年男性でイケメンとまではいかなかったのだが、「キャー、イケオジー!」と私たちは勝手に盛り上がっていた。さながらアイドルファンの如く、好みの先生を慕っていたものである。授業中の雑談も聞きもらすことなくメモして……おっと、誰か来たようだ。
 それから、私たちは彼らの関係性に目をつけた。なにしろF先生(ヘタレ童顔の男性)と私の推しセンであったO先生(長身痩躯の壮年男性)の仲の良さったらそりゃあもう。おまけに、やくざ似の先生がいたため、私の思考回路は目まぐるしく稼働した。
「T先生を頭にして、F先生若旦那にしてさ、それでO先生をその世話役というか右腕にして。で、S先生はそのライバルと対立してる組長とか(以下略)」
 私と友人はその時、熱い握手を交わした。同志誕生の瞬間である。瞬く間に、私と友人の間で設定は拡大を続け、お世話になっている先生で組織図は完成した。舞台設定として、まず裏社会を牛耳る魔王的存在、Y(CV:校長)が、二つの組に「君たちが先生になれば面白いと思うんだー」という無理難題を押し付け、私立高校建てちゃったよという話。無茶である。いいんです、受験生だもの。精神の支えは必要である。なんと言っても、会いに行けるアイドル、教えを請いに行けるアイドルなのである。教室の前列に座れば、目が合う、距離も近い、指される可能性も高まる、名前だって憶えられる……なんと魅力的だろう。学校に通えることが、毎日楽しくなるではないか。反対意見は認めない。嘘です。
 しかし、私はここで終わらない。部活で小説を書くことになっていた私は、決意した。やるしかないと。私は先生たちで有終の美を飾るのだ、と。
 書き上げた瞬間の達成感は、とても言葉では表現できないものがあった。先生の雑談ネタを作中に散りばめたり、ある先生は作中でほぼ別人になったり、後半戦闘シーンがメインとなったりしたが、問題ない。私はやりきったのだ。
 その後、その小説を事情を知っているクラスメイトに見せたり、モデルとなった先生本人に見せ予想外の反響をもらったりしたのは、いい思い出である。

 誰しも安らぎが必要である。しかし、趣味に没頭しすぎてもいけない時、何が精神安定剤になるかわからない。

五十嵐 由季
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