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リッこら

Re:ALL製作委員会は一枚岩ではありません。日々委員どうしが小首を傾げ合いながら 冊子を作っています。彼らは一枚岩というよりはむしろ、ガラクタの山のようです。どんなガラクタが埋まっているのか。とにかく委員それぞれが好きなものを書きたいということで始めたコラム、気が向いたら読んでやって下さい。ひょっとしたら、使えるガラクタがあるかもしれません。

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パ・リーグ

セ・パ交流戦が終わった。スポーツニュースでは連日のようにセ・リーグの弱さ(今年はセ・リーグ44勝に対してパ・リーグは61勝である)が報道され、6/14には全試合でパ・リーグの球団が勝利を収めるという珍事が発生した。しかしながら、今年だけセ・リーグの弱さが際立ったという訳ではなく、過去10年行われたセ・パ交流戦の中でセ・リーグがパ・リーグに勝ち越したのは2009年の僅か一回だけである。私は以前の記事で戦国時代を迎えているセ・リーグの魅力を紹介した。6/21現在で首位から最下位までが2.5ゲーム差でひしめき合っている。けれど、交流戦で野球ファン全員に突きつけられてしまった「結局、セ・リーグはどんぐりの背比べじゃないのか?」という疑問を考えてみると、胸につっかえる何かと共に試合を観戦しなくてはならない。パ・リーグに対して否応なく感じてしまう劣等感に目を背けながら、セ・リーグの試合を見続ける。そんなことをしていたら、まだ長いシーズン野球を楽しめないじゃないか!ならば、ここは開き直って、パ・リーグについて考えてみようではないか!
ということで、今回の趣旨はズバリ、「セ・リーグファンから見たパ・リーグの魅力」だ。かつての巨人ファンのように、「コイツはいい選手だからウチに欲しい」とかは言わず、あくまで冷静に分析していきたい。結論が「やっぱパ・リーグはすげえや!」となるであろうことはここまで書いている私自身重々承知なわけだが、しばらくお付き合いいただければ幸いである。

何といってもパ・リーグにおいて注目すべきは魅力的な打者である。統一球が導入されて、ホームランが激減している中、セ・リーグにおいては顕著だった長距離砲の減少が全く見られない。6/21現在で20本の大台に乗せた中田翔(日ハム)と中村剛也(西武)のホームラン王争いを追随するのは、18本を放つ松田宣浩(ソフトバンク)と17本を放つ李大浩(ソフトバンク)の二人である。セ・リーグではDeNAの筒香がホームラン王争いから脱落し、畠山(ヤクルト)がホームラン王争いの独走態勢に入ったのを考えると、パ・リーグにおける長距離砲たちのホームラン王争いは見ごたえのあるものになっている。
打率では秋山翔吾(西武)と柳田悠岐(ソフトバンク)の二人が飛び抜けており、最多安打のタイトルと合わせ、首位打者のタイトルをどちらが獲得するか楽しみである。とりわけ秋山の安打ペースはかつてのイチローのそれを上回り、活躍次第では、現阪神のマートンが持つシーズン最多安打記録更新も夢ではない。柳田も安打ペースは200本以上を越え、史上初の同一リーグ内200本安打以上複数人達成もありうる状況だ。
ここまで何人もの名前を上げてきたが、さて、総合的に見て誰に注目すべきか、ということになると、私は柳田の名前を挙げたい。ここまで打率.369、出塁率.463、ホームラン14、打点44、盗塁11と、打撃関係の全ての数字において全く隙を見いだせない。勝負すればホームランを高い確率で放ち、単打にしたとしても、盗塁の可能性がある。しかし、柳田の盗塁に怯えていると、内川・李大浩といった長距離砲に一発を食らう危険性も大きい。投手にとっては、これ以上に怖いプレイヤーは存在しないだろう。
加えて、体の全てを使って豪快に振っていく姿は見ていて非常に気持ちがいい。柳田のホームランはほとんどがライナー性であり、交流戦では横浜スタジアムバックスクリーンに叩き込んだ一撃がLEDの一部を破損させるという一幕も見られた。
続いて投手に移ろう。先発ではディクソン(オリックス)と大谷翔平(日ハム)が勝利数8でトップ。防御率も一点代だ。大谷は二刀流として、昨シーズンはプロ野球史上初となる同一選手による10勝・10本を達成し、今年は打撃の方は不振を極めているが、投手としてはかつてのダルビッシュを彷彿とさせる成長速度で伸び続けている。ディクソンは昨シーズンの優勝争いから一転、泥沼の最下位に沈むオリックスの中で、なんとかチームを支えている。
中継ぎ、抑えでは、とにかく大量に良い選手がいるのがパ・リーグの特徴である。両分野から一人ずつ選手を選ぶと、中継ぎの五十嵐亮太(ソフトバンク)は、投球術に優れ、直球とナックルカーブの使い分けが非常に上手い。加えて、フォームを自由自在に変えて打者を打ち取るのも持ち味である。佐藤ピッチングコーチの敬遠サインに対して首を振り、ランナーを背負う場面でDeNAの筒香、石川の二人を打ち取るなど、気迫が前面に出ているため、見ていて非常に熱くなれる選手だ。一線で投げ続けるベテラン右腕は今年どのような成績を残すのか。中継ぎとしてここまで防御率.086、14ホールド。首位ソフトバンクの原動力だ。抑えにおいては、松井裕樹(楽天)の名前を挙げたい。高卒二年目の左腕は、今年抑えで覚醒。西武高橋に続く18セーブを挙げており、ここまで許した失点は僅かに2。試合を見ている限りだと、コントロールが定まらず、四球で塁を埋めることはあるのだが、どんなに走者を出そうが、チャンスヒッターたちを三振でねじ伏せる。一つのミスが命取りになる僅差の最終回において、三振でアウトを取れる能力というのは抑えに最も必要なものなのであるが、ここまで極端に三振を取ることに特化した選手は珍しい。

前回とは違って、今回は選手の紹介のみに留めてみた。優勝争いはソフトバンク、日ハム、西武の三球団が頭一つ抜けているように思えるが、楽天、ロッテも可能性は十分にある。毎年面白く、熱い終わり方を見せてくれるパ・リーグの野球を私もまた、注目して見ていきたい。ペナントレースは折り返しに差し掛かり、ここからいよいよ野球の最も面白い季節・夏を迎える。夏になって成績を伸ばす選手、落とす選手、伸ばすチーム、落とすチーム。動きはさらにダイナミックになっていくだろう。楽しみだ。本当に楽しみだ。
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