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リッこら

Re:ALL製作委員会は一枚岩ではありません。日々委員どうしが小首を傾げ合いながら 冊子を作っています。彼らは一枚岩というよりはむしろ、ガラクタの山のようです。どんなガラクタが埋まっているのか。とにかく委員それぞれが好きなものを書きたいということで始めたコラム、気が向いたら読んでやって下さい。ひょっとしたら、使えるガラクタがあるかもしれません。

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セ・リーグ

この記事を書いている時期は4月の下旬なのだが、僕自身はこの記事が2015年中に公開されるならば、5月であれ6月であれ自然と受け取っていただけると信じている。一体何を、か。それはタイトルの通り、今年のプロ野球、セ・リーグの面白さだ。
さて、失礼を承知で書かねばならないが、日本のプロ野球の歴史のほとんどはセ・リーグが作り上げてきた。王貞治の本塁打記録、巨人のV9、江川―小林の伝説のトレード、巨人阪神伝統の一戦……。ゴールデンタイムには巨人戦が放映され、野球人気はセ・リーグが、特に巨人が独占し続けてきたと言っても良いだろう。けれど、パ・リーグがセ・リーグの影に隠れていたかというとそう言う事ではなく、パ・リーグは各球団の実力が均衡しており、圧倒的に巨人の優勝回数が多いセ・リーグとはまた別の楽しみ方をすることが出来た。いつの日からか人気のセ、実力のパ、と呼ばれ始め、とりわけ90年代から10年代にかけて、ダルビッシュ、田中、大谷と言った大投手がパ・リーグから生まれた。
セ・リーグにもう一度戻ると、ここ十年、巨人6回、中日3回、阪神1回という事実上の巨人・中日二強時代が続いており、シーズン序盤に優勝が殆ど決定してしまうことも多かった。だが、である。今年、セ・リーグには異変が起きている。4月を終わってどの球団も均衡した戦いを続けているのである。
そしてこの均衡した戦い、が平凡なチームが六つ集まったから起こったわけではなく、どの球団も自らの強みと弱点を併せ持っているからこそ、見ていて面白いシーズンが展開されているのだ。
まず一位の東京ヤクルト(ゲーム差-)。去年、バレンティン・山田・雄平・畠山・川端の5選手が10本以上の本塁打を記録した反面、投手陣は怪我に苦しみ、救援陣が崩壊していた。まさに最強の矛と脆い盾のチームだったのだが、今年は投打のバランスが逆転。チーム防御率はリーグ最高の1.81(4/30現在、以下省略)である。バレンティンが故障し、山田や雄平が打率を残せていないなど打撃では不安があるが、投手力で勝てるゲームを確実に取っている。
そしてヤクルトと同率一位(ゲーム差-)につけるのが巨人。チーム打率はリーグ四位の.242、チーム防御率はリーグ三位の2.67、さらに亀井や坂本、阿部の故障、村田や長野の不振もあり、スタメンをやりくりしながら進めているが、優勝経験豊富なチームの指揮官・原辰徳によって着実に勝利を積み上げている。かつての巨人といえば、ホームランバッターを並べてどこからでもホームランが飛びだす空中戦が代名詞だったが、今年は小技を繋げる野球を繰り広げている。
続いて三位は横浜DeNAベイスターズ(ゲーム差1)。筒香、梶谷が本格的に覚醒し、中軸を打ち、首位打者を走っている石川を一番打者に置いている。さらにはバルディリス、ロペスの外国人コンビも若いプレイヤーたちを中軸以降から支えている。チーム打率はリーグ二位の.260、チーム防御率はリーグ六位3.82。典型的な打のチームである。しかしながら、中畑氏就任前のベイスターズは最下位の常連球団であり、昨年や二年前も上手く勝ち星を掴めていない感じがあった。去年大量戦力外を通達し、投手陣の入れ替えを敢行した。その成果は中継ぎの安定という形で徐々に出始めている。打撃をこのままの調子で続け、不安定な先発陣がゲームを確実に作れるようになれば、DeNAとなって初のクライマックスシーズン進出も夢ではない。
四位は中日(ゲーム差0)である。元々中継ぎ陣には定評があり、チーム防御率はリーグ三位の2.67。中継ぎのエースである浅尾も帰ってきて、去年新人王候補である福谷、又吉の活躍に加えて、田島が覚醒した感じもある。エース吉見の復活、去年投手陣を支えた大野と先発にも大黒柱が整っている。そして、老年化が心配された打撃陣であるが、10年目の福田が開花、ソフトバンクから移籍した亀澤、そして昨年から好調の大野と、あっという間に世代交代をしてしまった。チーム打率はリーグ一位の.264。ここからの巻き返しは十分にあり得る。
五位の阪神(ゲーム差1.5)は、チーム打率がリーグ最下位の.234、防御率はリーグ五位の3.78である。セットアッパーの福原、抑えのオ・スンファンと勝ちパターンに入ればリーグ最強なのだが、先発陣と打者陣が上手く噛み合っていない。加えて、マートンやメッセンジャーなど外国人がチーム内に火種を持ち込んでおり、不安要素は絶えない。ただ、昨年二位の勝負強さは夏以降現れてくるであろうし、優勝戦線に絡まないはずがない。
最後に現在の最下位である広島。防御率はヤクルトに次ぐ2.33であるが、チーム打率はリーグ三位の.242 と打撃が燻っている。しかし、実はチーム打率自体は一位の巨人と同じ数値であるため、むしろ防御率の差でもっと上に行ってもいいはずである。大瀬良が九回一失点で負けになり、前田、黒田、といった好調の先発陣の活躍に打者が報いることが出来ていない。打撃の不振はオープン戦の頃からも言われているが、緒方監督自身がこの現状にメスを入れることが出来ていない。ただ、投手陣は救援も含めてリーグ屈指。勝利の哲学を知った時、広島の上昇は始まるだろう。

さて、このように見てきたが、もう一つタイトル争いも熱い。実はここ五年以上セ・リーグのホームラン王は全て外国人選手が握っているのだ。しかし、今年はここまで筒香(DeNA)がロペス(同)と並んでホームランダービーのトップを走っている。投手では、防御率のトップ15が全て2点代だ。誰が最優秀防御率を握るのか。まだまだ分からない。とりわけルーキー高木勇人(巨人)は防御率1.50、勝利4と新人王、最多勝利、最優秀防御率、他にも様々な投手タイトルを独占できるかもしれない逸材である。

僕自身保育園時代からの巨人ファンであるし、好きな球団の試合を見て、応援をし続けることが野球の醍醐味であると思う。だが、今年はセ・リーグ六球団の全てが“面白い”。ひいきの球団を応援しながら、たまには普段はライバルとなっているチームの試合を見てはいかがだろうか。そこには、新たな野球の面白さ、セ・リーグの可能性が眠っている。
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