みなさんは「鼻くそ株式会社」をご存じだろうか。
「鼻くそ株式会社」は鼻くそを売る会社である。知らないのも無理はない、それは私が中学1年のときに設立した会社なのだ。
「株式会社」とあるが、もちろん株式会社ではない。それは「鼻くそ株式会社」という名の個人商店と言った方が正しいだろうか。仕入れから生産、販売に至るまですべて自分たちの手で行う。「鼻くそ」とあるが、もちろん鼻くそを穿って売るわけではない。汚いし鼻が痛い。あと需要がない。臭い。いや、臭くはない。
売る品は、正式名称「鼻くそ的形状物質」。パッと見は鼻くそっぽい、弾力のある何か。
この作り方だが、材料となるのは国産のスティックのり。熟練の従業員が巧みに机にスティックのりをこすり付け、薄く広げる。そして乾くか乾かないかのタイミング(ここは長年の勘による)で一気に指でこすりあげて纏める。結果にコミットする。「サイズ」、「色」、あふれ出る「くそ感」を忠実に再現した一品に仕上げるのがベスト。
厳選された国産の材料、そこに熟練の職人による手作業が加わるこの鼻くそ的形状物質の値段はなんと5円(税込)。破格である。うま○棒を1本買うか、鼻くそ的形状物質を2個買うか・・・。愚問である。
この商品、さわり心地はゴムより少し柔らかく、授業中ずっと触っていたくなるような、それでいて先生にばれることが決してないサイズ感、そしてなにより価格の安さ、これらの要因がスパイラル現象を引き起こし、購入者が一人あらわれた。
その時彼は、いま持ち合わせがないからといって後払いを選択。しかしその後支払いをする様子を見せず、わが社は不良債権になやまされ、「鼻くそ株式会社」は倒産した。わずか3日の話である。これが世に有名な2008年、ハナクソショックである。
こんばんは、文学部教育学コース2年の山田です。堀北真希のなら全然鼻くそ食べたいです。ありがとうございました。
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