パタパタパタパタパタ…
たぶん、僕が子供のころはこの音で飛行機が飛び立っていたんだろうな。
旅行に出るとき一番好きなのは、空港だった。
特に、入国や出国審査の場所に行く前に必ずある、その空港の今日のフライト情報の書かれたスクリーン。
今は電子化が進んで、日本だとどこにいっても、電光掲示板に飛行機の順番が書かれている。
一昔前(と言っても最近だけど)は電光掲示板のようなデジタル表示ではなかった。飛行機が一機飛び立つたびに、いかにもアナログな回転式の板が、パタパタパタと音を立ててフライト情報を更新していた。
今でも、スクリーンが残っている空港は世界にはまだまだあるみたいです。
そこでは、今日も飛行機が飛び立つたびに、パタパタなっているんだろうか。
カシャカシャカシャカシャ…
一眼レフのカメラは、1988年にカメラが今の形になって以来の変わらないシャッター音を響かせている。
大学に入った頃、宮崎あおいが宣伝しているオリンパスのPENというコンパクトデジタル一眼に憧れて買った一眼レフ。
昔からカメラが好きなわけではなかったと思う。むしろ意味不明な用語ばかりだったから、いつもマニュアルモードではなく、自動で全部やってくれるオートモードだった。
だけど、写真は好きだった。
タイムマシンでしか戻ることができない瞬間を持つことができるなんて、すごいことだと思っていた。
そんなこんなで自分でも撮りたいと思って始めたら、Re:ALLでカメラ講習会をやるまでになっていた。
今では、なにもない時でもバッグに入っている 。
取り出して、ピントを合わせたらカシャカシャって音がしてくれるんだろう。
(野口昴太)
PR