先日、大学の先輩たちと一緒に、スイーツの食べ放題に行った。店内は、色とりどりのフルーツやクリームで飾り付けられたケーキ、タルト、ムースやゼリーが並べられていて、大変食指が動く景観になっていた。先輩たちは、そのよりどりみどりのケーキをこれまたとても見栄えよく美しく盛り付けていた。その横で、山盛りのケーキの皿を手にした一人の学生がいた。
誰であろう。―― そう、この私である。
先輩の盛り付けたお手本のような皿とは対照的に、私の皿には、所せましとケーキが積んであった。配色や置き方などまるで考えない。ありとあらゆる種類のケーキが小さい皿の上に乗せられるだけ、乗せられていた。先輩のプレートがレストランで出される見本のようなものなら、私のはさしずめヴァイキングの酒場で出される料理といったところか。まさにワイルド。女子会に似付かわしくないプレートであった。
これは最近言われて気づいたのだが、私は見かけによらず、食べるほうであるらしい。だが、何も毎食、大食漢のように食べるのではなく、それは食べ放題限定での話だ。食べ放題の楽しみ方は人それぞれであるが、元を取ることにこそ重点を置くべき、というのが私の持論であって、長話をしながら食べるなど、言語道断なことなのだ。昔読んでいた少女マンガの主人公が、食べ物は胃に入ればなんでも同じだと言っていた。全くもって同意見である。だから、食べ放題でのルールもいくつか持っている。(お腹を締め付けない服を着ていくこと、水分はあまりたくさん取らないこと、等々)
だが、何度も言うが、楽しみ方は人それぞれなので私の考えを強制するものでは決してない。先の女子会で、近くに座っていた同級生でメロンソーダを持ってきた女子がいた。食べ放題で甘いものを飲むこと自体を敬遠する私にとって、加えて炭酸を持ってくるなんてもっての外だ。――食べ放題で炭酸はありえない…!つい本音がこぼれてしまった途端、ちょうど帰ってきた先輩の手にも、あの無駄にお腹がいっぱいになる緑の炭酸水があった。慌てて弁解した。
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