忍者ブログ

リッこら

Re:ALL製作委員会は一枚岩ではありません。日々委員どうしが小首を傾げ合いながら 冊子を作っています。彼らは一枚岩というよりはむしろ、ガラクタの山のようです。どんなガラクタが埋まっているのか。とにかく委員それぞれが好きなものを書きたいということで始めたコラム、気が向いたら読んでやって下さい。ひょっとしたら、使えるガラクタがあるかもしれません。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

こんなクソみたいな業界滅んでしまえばいいよ!(ぽちぽち)



どうも、Re:ALLの卯木です。
ここにコラムを投稿するのは、これで2回目、半年ぶりになります。前回は随分私見に寄ったアーケード格闘ゲーム論を語らせていただきましたので、もしよろしければご覧になってください。
もしかすると、アレを読んで「ゲームセンターってやっぱり怖いところ……?」だなんて思われても嫌なので、少しだけ弁解させてください。
前回書いたように殺伐とした、良い意味でクライマックスに達した対戦が行われているのも確かですが、近年はプレイヤー同士の交流が活発だったり、初心者用の講習会や対戦会が開かれたり、女性プレイヤーも増えたり、と敷居は決して高くないと思うので、ぜひ一度ゲームセンターに足を運んでみてくださいね。
僕はゲームセンターに通った7年間で、一度も友達なんてできませんでしたけどね。

さて、今回のコラムではゲームセンターから少し離れまして、いわゆる「ソーシャルゲーム」について書いてみようと思います。


――『パズドラ』大躍進



最近だとこの『パズドラ』なんかが有名でしょうか。変に気取った雰囲気のCMもあってTVで見かけると本当にイライラします。一昔前には、『ドリランド』のCMも話題になりましたね。TOKIOとのコラボは誰得だったのでしょうか。
そんな『パズドラ』ですが、CMを打つだけあって巷では大人気。ゲームの過程にパズルを取り入れたことで、呆けながらクリックしているだけで進んでしまうような、従来のルーティンワーク的なソーシャルゲームとは一線を画したことも人気の一因でしょう。
それにしても、電車の中でスマホをいじくりまわしている人を見ると八割方『LINE』か『パズドラ』をやっているので驚いてしまいます。


――「ソーシャルゲーム」って?
「ソーシャルゲーム」と言っても多種多様、千差万別。どういった定義の下に「ソーシャルゲーム」などと呼ばれているのでしょうか。
そもそも、「ソーシャルゲーム」などというジャンル名がつけられたのはGREEなどのSNSを基盤にしたゲームであるから、というのが実際のところなのだと思います。しかし、今ではスマートフォンのアプリでゲームが配信され、そのアプリ内でネットワークが完結してしまうようなものも多く見受けられるようになりました。(先述の『パズドラ』なんかもそうですね)
そんな中でも、それらを含めて「ソーシャルゲーム」という括りはなんとなく存在しているわけでして。そこに共通する要素とはなんでしょうか。やはり僕は「ガチャ」と「フレンド」だと思います。その中でも、とりわけ「ガチャ」の存在感たるや、といったところでしょうか。基本的にソーシャルゲームの売り上げといえばガチャがメインなのですから、当然といえば当然ですね。

――1%の壁に屈した敗北者は数知れず
「ガチャ」とはその名のとおり、ゲーム内で「ガチャガチャ」を回すかのごとく新しい要素(カード、アイテム、キャラクターなどなど)を手に入れていく機能です。
有料ガチャの場合、ゲームによりますがおおよそ一度回すのに300円が相場といったところでしょうか。その時点でおかしい。それだけのお金があれば、うまい棒が30本も買えます。
さらに、ソーシャルゲームにおけるガチャには「レアリティ」がつきもので、出現確率が1%のレアリティなんてものも珍しくはありません。たとえ1%の幸運に恵まれたとしても、毎月のように追加されていく最高レアリティのカード群からお目当てを引ける確率はいかほどのものでしょうか。(注)ネット上の「ガチャにウン十万使った」だなんて書き込みもけして嘘ではないというわけです。

こういった仕組みは射幸心を煽るとして問題視されがちです。「コンプガチャ」に対して法規制が敷かれた話などは比較的記憶に新しいのではないかと思います。
ただ、僕がここでしたいのは「ガチャは良い、悪い」なんてどうでもいい話ではなく、「“何”が射幸心を煽り、“何故”人はガチャを引いてしまうのか」という話です。
例として先ほどの『パズドラ』について考察してみたいと思います。


――『パズドラ』は何故人気なのか?~ガチャのシステムから探る~


図1
 パズドラのガチャは図1のような画面で、「さげてね」と書かれている部分をフリックするとドラゴンのお腹から卵(緑、金などレアリティで色が違う)が出てきて、画面が切り替わり、手に入れたモンスターが表示されるといった演出の下に行われます。このガチャ、一見普通のようですが、ソーシャルゲームをいくつか比較してみるとかなり特殊なパターンだと言えます。
 一般的なガチャと異なるのは、演出が過剰であるという点と11連ガチャが無いという点。


図2

○演出
まずは演出について考えてみましょう。いざガチャをするという場合、一般的なガチャではワンタップでことが済みます。(図2で言えば、「1回勧誘」や「11回勧誘」のボタン)しかし、パズドラではそこであえてフリックをさせ、さらにはそのフリックに合わせ、ドラゴンの腕が下がるという動きまで加わります。たいした違いじゃあないと思われるでしょうが、この一捻りがここでは非常に重要なんです。
 みなさん子供のころガチャガチャをした経験が一度はあるでしょう。それを思い出してください。一番わくわくした瞬間はいつですか?ずばり、「レバーを回す瞬間」じゃなかったでしょうか。今回の例ではそれが「フリックの瞬間」に対応しているのです。
ここで重要視されているのは「自分で回した(手に入れた)」という感覚。それがプレイヤーの射幸心をことさらに煽ります。
さらには卵の色(レアリティ)が何か、そのレアリティの中でもどのモンスターなのか、そういう風に段階的に射幸心を煽る。パズドラを例に挙げた理由はこういった「総合的な機会の演出の妙」なのです。
こういった演出過剰なガチャといえば、他には『ガーディアンクルス』なんかが思い当たりますね。

○11連ガチャ
次に、11連ガチャが無い、という話です。一般的なソーシャルゲームでは図2のように、10回同時にガチャを引く場合、1回分のおまけがついてくる「11連ガチャ」というものの存在が定番化してきています(UFOキャッチャーの100円1プレイ・500円6プレイと似たようなものです)。
1回分のお得感をちらつかせ、10回分まとめて課金させようとする。これもまた射幸心の煽り方の1パターンだと言えるでしょう。事実、「11連ガチャを引かないならはじめから引かない方がマシ」と言われるほど、プレイヤー間に11連ガチャは浸透しています。
では、何故パズドラには11連ガチャが無いのでしょうか。それは前述の「演出」の重要さを理解しているがためにあえて実装していないのだと僕は考えています。
11連ガチャを実装してしまっては、ガチャを引くたびに得られるわくわく感を、1フリックで11回分一気に消化してしまうことになる、と言えるでしょう。プレイヤーによっては、11回“まとめて”という所に機械的な感覚を持ってしまうかもしれません。つまり、パズドラは「数字として見える、実際的なお得感」を提供することではなく、あくまで「かけがえの無い、一回性を持った体験」を演出することに重きをおいたということです。
とはいえ、「まとめ買いによるお得感」を切り捨てたわけではありません。パズドラのゲーム内では「魔法石」というアイテムを課金で手に入れ、それを5つ消費することで、ガチャを1回引くことができます。その値段設定には段階があり、1個85円~85個5200円まで。85個同時に買えば、1個ずつ買うよりも2025円お得ですね。
このように、パズドラではガチャではなく、課金のタイミングで「お得感」を強調してまとめ課金を促しているというわけです(とはいえ、こうした課金システムに加えて、11連ガチャを実装しているゲームもあります。両方で似たようなお得感を押し出してもあまり意味ないと思うのですが、どうなんですかね)。


――おわりに
パズドラを一例に、ソーシャルゲームにおけるガチャについて簡単に考察してみました。ガチャひとつとってみても、パズドラがここまで熱狂的に支えられている理由がわかっていただけたと思います。とはいえ、今回書いたことなんてパズドラが人気な理由の氷山の一角の中の一角といったレベルですし、ソーシャル“ゲーム”を扱ったのに、肝心のゲーム内容に関してはまったく触れていないというのも恐ろしい話ですが、ソーシャルゲームにおいて“ゲーム内容”なんてものは基本的に肝心でもなんでもないのでいいとします。
 ソーシャルゲームは知れば知るほどまったくもってふざけた集金システムだと思いますが、膨大な数が出回っているので、比較考察の対象としては非常に面白い。つまるところ、どうやれば一番プレイヤーが課金してくれるのか、儲かるのか。それをシビアに考えてできたシステムから、開発者の意図をいかにして汲み取るかというわけです。
今までまったく触れずに生きてきたあなたも、人間のクソみたいな部分で溢れたソーシャルゲームの世界を一度覗いてみてはいかがでしょうか。



P.S.
ちなみに僕は最近『ラブライブ スクールアイドルフェスティバル』にお熱です。これまた「音ゲー+ソーシャルゲーム」という、ソーシャルゲーム業界としては特筆すべきゲームなのでイチオシ。海未ちゃんSR二枚目手に入るかなあ。






図1…iOS app『パズル&ドラゴンズ』より
図2…iOS app『ラブライブ スクールアイドルフェスティバル』より


<注釈>
現在、アイテム取得確率が1/100未満であるものは基本的に規制の対象となってしまうのです。しかし、当然アイテムの数が101以上になったら確率はそれ以下になるので、直接は適用できないわけです。
それでは、ここで言われる1/100が実際どこに適用されているかというと、レアリティの部分。たとえば、【R】【HR】【SR】の三種類の確率のアイテムが出るガチャがあったとして、取得率はR=90%、HR=9%、SR=1%が相場です。とすると、もっともレアリティの高いアイテムは1%で手に入ると言えます。
ただ、当然レアリティ【SR】のアイテムも1種類じゃないのです。そうすると「レアリティ【SR】の中でも特定の○○というアイテム」を手に入れる確率は<0.01/レアリティ【SR】>となるのです。


PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

バーコード

ブログ内検索