こんにちは、ようこそいらっしゃいました当コラムへ。
さて唐突ですが、皆様は授業をちゃんと受けていますか?
いやね、今授業中なのですが、ふと手を止めて周りを見回してみますと授業も受けずに内職に耽る方がちらほら居るわけですよ。うーむ、教授が声を枯らさんばかりに話しているのと言うのに、これではあまりに失礼という物。いけませんねぇ。
いやでも、内職問題と言うのは、生徒のみでは無く、授業を行う側にも責に……おっと、なんでもございません。なんでもございませんってば。
ハーイ、ジュギョウハチャントウケマショーネー
まぁそれは置きまして、こう見ていますと一口に内職と言いましても色々と種類があるようですね。そういう理由でございまして、今回は授業の裏でひっそりと、しかし確固たる地位を築きあげている「内職」たちをフォーカスしたコラムでございますよ。
まず目につきますのは、現役大学生支持率ナンバー1(浜村調べ)のスマートフォン。私の斜め前の方も先ほどからアプリゲームに没頭しております。机の下に隠すようにしてるから、まぁあんなに背中を丸めて。後で痛くならないんですかね。
小柄なボディに数多の機能を詰め込み、SNSからゲームまで手広くカバーする暇つぶし職人。あんまり面白いものだから、自分の気がつかない間に取り出していじっていた、なんて人も居るそうで……いや、誇張表現では無く、スマホ依存症と立派な病名までつけられている程です。それと、猫背でスマホを操作し続けると非常に体に悪いそうで、皆さんも気をつけて下さいね。
私も良くスマホを授業中に取り出してしまうのですが……正直、授業を受けずにスマホを弄っていたおかげで、より有意義な時間を過ごせた! と思った事は無いんですよね。大概が罪悪感か虚無感。どんなに優秀でも、しょせんは暇つぶし用と言う事でしょうか。
隣を見ていますと、おやおや気持ちよさそうに眠っております。
「居眠り」……コレは内職と言ってよいのでしょうか? いや、睡眠は全生命活動の中でも(三大欲求的な意味で)トップ3に入る重要なアクション。足りない睡眠時間を補っていると考えれば、これはある意味で授業よりも有意義な内職なのかも……ですが、暑かったりうるさかったり椅子が合わなかったり……全ての授業で快適な睡眠を得られるとは限りませんし、資料を回している時に寝ていたら周りに迷惑をかけてしまいます。
えぇ、今まさにそういう感じでございまして。一向にプリントが回ってきません。
しかしながら睡眠欲求とは自分の意志でコントロールは出来ないものですゆえ、もしかしたらこの人も好きで寝ている訳では無いかもしれませんし、それを批判するのも酷と言うもので……それにしても良く寝てますね、この人。
お、前の席の人は本を読んでいます。小説でしょうか? 参考文献でしょうか?
良いですよね、読書。私も大好きです。自分の好きな本を読むと言うのは何事にも代えがたい有意義な時間ですし、先生によっては授業の話を聞かずに指定の本を読む方が理解でき……あ、何でもないです。授業はちゃんと受けましょう。
本を読む姿はそれだけで勉強熱心な雰囲気を醸すことが出来るのも中々のプラスポイント。まぁ醸すだけなんですけど。読書中の読書家に周りの音は聞こえませんし。
ただ、本はかさばるんですよ。それだけが弱点。それでも重量なんか気にせず、何冊も持ち歩くんですよね、読書家は。そういう生き物なのです。
そう言えば大学に入ってから、授業中にゲームをやっている人を見なくなりましたね。
高校の頃は授業中ずっとゲームしてたぜ~、と言う話をよく聞いたのですが、教室も広くなり、ルールも緩い大学でそれを見ないのは何とも不思議な話。ゲーム好きとしては仲間が減ったようで寂しいですね。
携帯ゲームなんてお子様の玩具だと思われているのでしょうか、悲しい。
まぁスマホに居場所を奪われたと言うのが真実なのでしょうが、それはそれで悲しい。
でも実際やってみようとすると、ゲーム音はうるさいわボタンのカチカチ音もうるさいわ、内職には不向きだと言うのも事実。まぁ授業中にやるように作られていませんし。
とは言え、2014年は携帯ゲーム機対応で期待の出来るソフトがいっぱいありますし、ここから先、グッと巻き返してくるのかも……これは授業風景がどうなるか楽しみです。
……あ、いや、えっと、授業はちゃんと受けましょうね。はい。
む、あの人は何かノートらしきものを広げて……語学の勉強でしょうか?
ああいう人を見る度に、その授業でやるなり家でやるなり、とにかく内職でする必要は無いんじゃないの、と思うのですが……他でやるより内職の方が効率が良いと言う事もあるのでしょうか。しかし、犠牲になった今回の授業は何処で? おそらくまた別の授業で今回の分の内職をし、その分のツケをまた別の授業で……うーむ。
まぁ、勉強法は人それぞれ、と言う事で。当人の中でしっかり回せているなら、ケチをつけるのも野暮というものですね。
こうやって人の内職にケチばかりつけている訳なのですが、実際この私もこのコラムを書いている訳でして、詰まる所は同じ穴のムジナです。
それで気がついたのですが、私の様に授業中にノートパソコンをいじるのは少数派の様ですね。やはりこの大きさが原因なのでしょうか……まあ確かにネットの諸々は全てスマホにお株を奪われてしまいましたし、最近はデジタルメモ、でしたっけ? たしかそんな名前のコンパクトなワード専用マシンもあるんですよね。あぁ、ノーパソ君の存在価値が……まぁ、わざわざ持ってきた所で教室は温度が悪かったり雑お……先生が話していたりで、執筆には向かないんですよね。教室は授業を受ける所。創作活動は落ち着いた所で。
さて、と。そろそろ授業も終わりそうですね。
丁度いい、このコラムも締めましょう。
――内職と言うのは決して褒められた行為では御座いません。
どのような理由があっても決して認められる事ではありません。
しかし、それを分かっていて尚、彼らは内職をやめようとはしない。
大人に反抗するのが若者の仕事だと言わんばかりに、
一度しかない大学生活を無駄には出来ないと叫ぶように、
彼らは今日も、内職を続ける――
……ふむ、我ながら中々グッとくる語りじゃあ無いですか。ふふふ……
あ、どうも。出席カードありがとうございます。
ん? これ感想を書いて出席になるヤツですか?
……えーっと……今日は何を……
浜村 弘大
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