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リッこら

Re:ALL製作委員会は一枚岩ではありません。日々委員どうしが小首を傾げ合いながら 冊子を作っています。彼らは一枚岩というよりはむしろ、ガラクタの山のようです。どんなガラクタが埋まっているのか。とにかく委員それぞれが好きなものを書きたいということで始めたコラム、気が向いたら読んでやって下さい。ひょっとしたら、使えるガラクタがあるかもしれません。

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「私はインハイに出たかった」


序論 ~私は思った「インターハイに出たい」~



高校野球シーズンに、何度も目にするこの光景。
これを見るたびに、私の青春とは一体なんだったのかと考えてしまう。中・高と部活はやっていたし、それなりに頑張っていたけど。なんか違う。文化部だったから?

漫画やアニメの運動部ものにふれるたびに、「なんて輝いているんだ」と感動を覚える。独特の「仲間意識」(なんだと思う)が、美しくて、愛しくて、羨ましい。
勝ったとき自分一人で喜ぶのではなく、なぜかチーム集合して喜ぶ。私もあんな風に喜んでみたい。「絶対インハイ出るぞ!!」って円陣を組みたい。チームメイトを応援したいし、チームメイトに応援されたい。何か失敗しても「切替えていこう!」ってやりたい。おんぶトレーニング(相方をおんぶして階段登り降りするトレーニング。みたことあるから実在する!)とかしてみたい。練習のあと「お腹すいたねー」ってお好み焼きを食べに行きたい。周りに隠れて秘密特訓とかしてみたい。トラブルに巻き込まれたチームメイトを「ダチは見捨てねえ!」(『タンブリング』でよく言ってた)精神で助けに行きたい。試合の前日に不安になって同じ布団で眠りたい。負けて、泣いて立てなくなったチームメイトに肩を貸したい。

本論 ~私は運動部がわからない。~
そうは言っても、小学校のクラブから大学のサークルまで一貫して文化部だった私には縁遠い世界。インターハイはおろか正直運動部のこともよくわからない。私の運動部観は、架空のものから得たこと8割、実在するものから得たこと2割で成り立っている。「運動部に対して夢を見すぎ」と運動部の人間から言われがち。インターハイに出るためにはまず運動部のことを知らなければならない。前々から気になって仕方がない運動部のあれやこれをこの際訊いてみた。

謎①ゼッケンなどを後輩が持ち帰って洗う風習。結局洗うのお母さんじゃん。
答:気にしたことない。
謎②先輩より早く集合しなきゃ!
答:そんな風習ない。
謎③やたら声を出す。(何て言ってるかは部外の人間には聞き取れない。)出さないと叱られる。声を出す分のエネルギーを走ることに回した方がいいと思う!
答:そういうことではない。士気の問題。
謎④突然現れた不良が部を引っ張りがちだけど、前から真面目にやってた人からしたらどうなの?
答:気にしない。
謎⑤「先輩たちの無念を晴らします」って言うけど、後輩が勝って自分たちの無念晴れるの?
答:言うほど無念を感じてない。
謎⑥ケガ痛くないの?痛くても続けられるのは何故?
答:そりゃ好きだからでしょ。

結論:運動部の心の広さは海。意識の高さは山。雑念はない。

結論 ~私は悟った「インターハイそれすなわち涅槃」~
運動部の人々は生活を部活に費やしてるんだなぁと常々感じる。(『テニスの王子様』で「命を懸けて挑んでこの程度か…」ってセリフがあったから、命かけてるんだと思う)朝練やって夕方にも練習して自主練もして。甲子園やらインターハイやらに出場できる子は、そのぐらいやらないといけないんだろうけど。だから勝ったときにあんなに喜べて、負けたときにあんなにぼろぼろ泣けるんだ。部活以外に大事なものが山ほどあった私とは違うのなんて当たり前。多少の汗は流しても、血も流さず、怪我もせず、泥にまみれない私とは違う世界。つまり彼らは異世界の人間であると言っても良い。(人間なのかな?)

このように限界を超えるような鍛錬を積む肉体も驚異であるが、それに伴う精神はもはや神の領域に達しているのではないか。チーム競技は出場できる人数は決まっているわけで、そこから外れる人が出てくる。試合に出られないのに、どうして腐らずにいられるの。皆を支えようとするの。
「一度は腐ったけど、やっぱり野球もチームも好きだから」
そう答える球児を度々目にした。あまりの尊さに私はひれ伏した。彼らだって試合には出たいはずで、素直に応援できないこともある、と聞いた。そりゃそうだよ。でも辞めずに続けているだけ立派だと思う。そして試合に出ている子たちは「部員全員で戦っています」と言ってのける。実際にコートに立つのはメンバーの子たちだけなのにである。たとえ試合に負けても仲間を責めない。「ありがとう」の言葉を贈る。定番フレーズ「このチームでよかった」。こんなことを高校生にして言えるなんて…。

きっと彼らは、俗世のくだらないことからは解き放たれているんだ。レギュラーとか勝ち負けとかユニフォームの汚れとかそんなことを超えた先にいるのが彼ら『運動部』。煩悩にまみれた人間から進んだ存在。熱闘甲子園で工藤さんが
「甲子園に野球の勝ち負けはあっても敗者はいない。なぜならば球児たちはみんな輝いていたから」
と述べていたけど、これは球児だけでなく運動部のみんなに言えることなんだ。
インターハイに出るためには、精神修行から始めないとならぬ。まずは運動部の子を邪な眼で見るのをやめます。

たちきしおり
協力:運動部聖人8年目の弟
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