1)買い出し
自炊の基本は、出来る限り安く済ませることです。特に煮込み料理は、食材の差が出にくい料理です。別に1個100円のじゃがいもを買おうが、1個50円のじゃがいもを買おうが味はさほど変わりません。加えて、食材は基本的にバラで買うことが大切です。例えば3本セットで人参が150円だったとしても、3本もの人参を美味しいうちに使いきれるはずがないので、1本60円のものがあったらそっちを選びましょう。
《買うもの》
じゃがいも:2個
人参:1個
たまねぎ:1個
薄切り牛肉:1パック
糸こんにゃく:1袋
醤油
みりん
砂糖
だし汁(個人的なおすすめは
キッコーマンの本つゆです)
日本酒(お酒はよく分からないので、まあ、好きなものを)
お米
2)帰宅と下準備
肉じゃがのお供に欠かせないのはアツアツほかほかご飯です。帰宅後、早速炊きましょう。大体、ご飯が炊ける40分前くらいに包丁やまな板、食材を洗い始めるのが、美味しい食事を開始できるベストタイミングです。
まず、じゃがいもの皮を剥きます。100円ショップに行けばピーラーが売っています。これを使うと、下ごしらえが大分楽になるのでおすすめです。皮を剥いた後、じゃがいもを一口大の大きさに切り、水を入れたボウルに浸けておきます。
続いて、人参とたまねぎを中心で切り、半分をラップに包んで冷蔵庫にしまっておきます。1個は使いません。今度別の料理を作るときにでも使いましょう。
半分だけまないたの上に用意したところで、人参をいちょう切りに、たまねぎを薄切りにします。じゃがいもとは別のボウルを用意して、切った人参とたまねぎをまとめて入れます。続いて、袋の水を抜いた糸こんにゃくの数箇所に包丁を入れます。そのまま使うと、長くて食べにくいのです。切り終えたあとは、先程の人参とたまねぎが入ったボウルの中に入れます。
ここでボウルの中を確認してみましょう。
ボウル1
じゃがいも二個(一口大)
ボウル2
人参半分(いちょう切り)
たまねぎ半分(薄切り)
糸こんにゃく
3)火にかける
鍋はフライパン以外でしたら何でも大丈夫です。油を引いて、食べたい量の薄切り牛肉を投入します。強火で焼き、赤い部分が無くなるまで炒めます。
完全に色付いたら、鍋にボウル1、ボウル2を投入し、3~5分ほど、野菜が焦げない程度に炒めていきます。ボウル1のじゃがいもが浸けられた水は、鍋に入れる前に捨てておきましょう。
続いて、だし汁を2カップ、砂糖を大さじ2杯、酒を少々加えます。火を中火にして、全体に味が行きわたるようにかき混ぜながら、沸騰するまで熱します。水分が予想以上に減ってしまった場合は、水を少量足します。当然そのままだと味が薄くなるので、味見をしつつ、好みに合わせてだし汁や砂糖を加えていきましょう。
沸騰と同時にあくが出始めます。大体この水分の量なら沸騰まで3分くらいでしょうか。あくを取る前に、醤油を大さじ3杯、みりんを大さじ2杯加えます。味見も忘れずに。少し濃いな、と感じるくらいがちょうど良い塩梅です。
続いて、表面に浮き上がってきたあくを取ります。神経質になる必要はありませんが、汁を必要以上に捨てないように注意してください。
大体あくの出現も収まったところで、蓋をして中火で20分ほど煮ます。汁気が少なくなったら火を止めます。水分が残り過ぎていると、肉じゃが特有の食感が無くなってしまうので注意してください。
これにて出来上がりです。お疲れ様でした。完成と同時にご飯が炊ける音(ぼくの家の炊飯器はキラキラ星です)が流れて来たら最高ですね。あっつあつのご飯に、出来立ての肉じゃがを乗せて食う。自分で作った料理なだけに、感慨深さはひとしおでしょう。
ここまでレシピ紹介でしたが、少しぼくの意見を言わせてもらうと、正直肉じゃがは簡単です。まあ、だからこそ日本の家庭料理の代表として、長年食卓に並び続けていたのでしょうけど……。巷で「結婚したら、嫁の手作り肉じゃがとか食べたいな!」って男が抱く妄想が聞かれる割には、ハードルが低い手料理です。ですが、他人に作って上げるとやけに喜ばれたり、尊敬されたりする(はず)なので、覚えておいて損はないかと思います。自分で食べても美味しい。他人に作ってあげても美味しい。まさに二度美味しいとはこのことです。
栗山直樹
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