私はよく歩く。歩くことが好きなのだ。ぶらぶら気ままに歩いて気になったものを飽きるまで見ていると、しみじみ幸せだなぁという気分になってくるのである。
そんなお手軽に幸せになれるのかよ!と言われそうなので、ちょっと「ぶら歩きの楽しみ」をお伝えしたいと思う。
まず、どこを歩くかだ。
適当で良いような気もするが、やはり初めてやるならある程度面白そうなところを選びたい。上級者であれば全く何もない住宅街でも楽しめるが、そこまでいくには、経験と「自分なりのお楽しみポイント」が必要だろう。マンホールの蓋を見るのが好きとか、いややっぱ電柱の張り紙でしょとか、そういうアレである。
さて、話が脱線したが初心者が楽しむには「あまり人通りが激しくないこと」「小さい、個人経営みたいなお店がちょこちょこあること」が肝心だ。
人が多いと歩くことに夢中になってしまい、「ぶらぶら」という要素がなくなってしまう。そういうのは「ぶら歩き」とは言わない。歩いている、あるいはカロリーを消費していると言う。
また、せっかく周りを見ながら歩く余裕があるのに、道にコンビニしかないのではつまらない。どうせなら普段覗かないようなお店とか、気にしているけれどいつも通りすぎてしまうようなお店がある道がいい。
駅近くの大通りから一本外れたような道に入ると、そういう道が比較的よく見つかる。
どこを歩くか決めたら、次は服装と持ち物である。
格好は自由で良いと思うが、靴は履き慣れて長時間歩けるようなものが良い。間違ってもハイヒールなんか履いてはいけない。そんなことをすればすぐに足が痛くなって、目に付いた喫茶店に入りお茶などしているうちに、本来の目的などすっかり忘れ、ただお茶を飲んで帰るであろう。
さて、用意が出来たらさっそく外へ繰り出してみよう。
自分のペースで、のんびり歩く。日常の喧騒、細かな雑用、そういったことをなるべく考えないようにして。周りのものに目を向けてみる。
すると普段は気づかないようなものが飛び込んでくる。季節を告げる緑の色、いつの間にか熟していた梅の香り、風が虫や鳥の鳴き声と混ざり合う音。そういうものを感じていると、なんともいえない小さな幸福感に包まれるのだ。目に付いたお店があったら足を向けてみてもいい。そこにもきっと、普段見過ごしてしまうような出会いがあるだろう。
以上で私の地味な趣味「散歩」の紹介を終わる。もしこの記事を読んで良い道を知っている方がいたら私に連絡を下さると大変嬉しい。どこにでも行きます。……日帰りできれば。
佐藤 真里
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